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【中級】電子を閉じ込める"極小の箱"量子ドットが拡張できた!

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量子ドットを5つ繋げることに成功!

先日、東京大学と理化学研究所の研究グループが、「量子ドットを5つ繋げることに成功した」という報告をしました。この成果により、電子の性質を詳しく調べたり、超高速な量子コンピューターを作ったりすることができるようになると期待されています。

ではそもそも、今回"繋げることに成功"した量子ドットとは何なのでしょうか??

量子ドット?-電子を閉じ込められる"極小の箱"

世の中の全てのものは原子からできていますが、その原子は原子核電子からできています。特に、この"電子"は常に動き回っていて、電子1つを取り出すのは非常に困難でした。

236636真ん中の粒の集まりが原子核、その周りを回っているのが電子

そこで考え出されたのが量子ドットです。量子ドットは、この電子を1つだけ取り出して隔離することができます。すると、動き回ったり他の電子の影響を受けたりすることが無くなり、電子そのものの性質を利用することができるようになります。

Fig1

電子1個を隔離することで電子そのものの性質を調べることができる“量子ドット”

量子ドットを"繋げる"方法と意味

量子ドットを使って電子を"隔離"することができても、沢山の量子ドットが"連携"してくれないとコンピューターなどに応用することはできません。そこで量子ドットを沢山つなげる試みがされてきましたが、今までの研究では中々沢山繋げることができませんでした。今回、研究グループは新しい方法を考案し、5つの量子ドットを繋げることに成功しました。

Fig4-3新形状を使った多重量子ドットのイメージ図

研究グループは、電子の検出器である”電荷計”と、量子ドット内の電子を出し入れする”電子ため”を一定間隔で設置するようにしました。すると、5つの量子ドットを繋げ連携させることができたばかりか、この方法を使えば量子ドット5つといわず、幾つも繋げていけることが確かめられたのです。

量子コンピュータへの応用が期待!

電子1個を閉じ込めることのできる量子ドットを用いると、電子の性質を研究できるだけでなく、これまでのコンピュータをはるかに凌ぐ性能を持つ量子コンピュータが実現できると考えられています。この量子コンピューターは、従来のスーパーコンピュータが数千年かかっても解けない問題を一瞬で解けるとも言われています。

IBM_QCCタブレットから量子コンピュータにアクセスできる、
そうThe IBM Quantum Experienceならね(写真提供:IBM)

とはいっても「量子コンピュータ」と聞くと、はるか未来かSFの中での話のように聞こえるかもしれません。ですが近年、D-Waveというカナダの会社が世界初の「商用量子コンピュータ」とされるD-Wave oneを発売し、またつい先日にはIBMがインターネットから誰でも「5量子ビットの量子コンピュータ」にアクセスできるサービスを開始しました。量子コンピュータというデバイスは徐々に世界に姿を現し始めているのです。

ところが、D-WaveやIBMから発表された「量子コンピュータ」は今回紹介した量子ドットとは異なる仕組みで動いており、幾つかの問題がありました。

今回紹介した研究のすごいところは、これまでの半導体産業で培われた技術をそのまま応用することができ、量子ドットを集積化しやすい点です。つまり、より小さな領域により多くの量子ドットを、といった工夫がしやすく、実用的な量子コンピューターに必要とされる数1000もの量子ビットの作製が容易だと考えられています。

Wafer_2_Zoll_bis_8_Zoll_2集積回路と同じように量子ドットも集積化、できるかも?

現実に現われ始めた量子コンピュータ、そこに新たなタイプの”量子ドットを使った”量子コンピュータが現われる日もそう遠くはないのかもしれません。

  初級・上級記事も読む

-5QD, 中級

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