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【中級】新しい薬を創るのが百倍以上簡単に!?

2016/06/29

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今年3月、理化学研究所から、「タンパク質微小結晶の構造解析」に成功したという発表がありました。

これは新しい薬を創るのに大きく貢献する画期的な技術だと考えられています。

どういうことのなのでしょうか。説明していきたいと思います。

薬がはたらくメカニズム

皆さん、そもそも薬がどうやって病気を治してくれるのか知っていますか?

 

実は、大半の薬は、私たちの体の中にあるタンパク質と結合することで病気を治してくれています。

新しい薬を創るには、タンパク質とぴったり結合できる化合物を探さなければなりません。

SACLA2

 

そのため、「タンパク質がどんな形(構造)をしているか」が創薬にとって重要で、多くの研究者が、体の中のタンパク質を取り出して構造を見ようとしています。

 

「SACLA」と呼ばれる施設でX線レーザーを当てることでタンパク質の構造が分かるのですが、そのためにはタンパク質の結晶が10~100mg必要となります。

 

「なんだ、大したことないじゃん」と思うかもしれませんが、目的タンパク質の結晶を10~100mg取ってくるのは実は凄い大変です。

だから、新しい薬を創るのも凄い大変。

 

しかし、この問題点を解決してくれるかもしれない研究が現れました!

なんと、0.3 mgだけしかタンパク質が無いのに構造が分かったというのです。

つまり、今までの数百分の一だけのタンパク質で十分であることが実証されたのです!凄い。

 

パルス液滴法によるブレイクスルー

これを可能にしたのは、「パルス液滴法」。

一瞬だけタンパク質を流し、そのタイミングでピンポイントにレーザーを当てるようにしたのです。

そうすれば、いままで無駄に流れていたタンパク質が節約できます。

SACLA3

 

もしこの方法が他のタンパク質にも使えたら、、、

 

タンパク質の形が次々に明らかになって、どんどん新しい薬ができるようになるかもしれません!

これまで治すことのできなかった病気のための薬もできるかもしれません。

 

さらに凄いのが、日本の技術がつまった「SACLA」って施設でなきゃできないという点。他の国ではできません。日本やばい。

 

ちなみに工夫すればもっとタンパク質の量を減らせるんだとか、、、!

今後に期待ですね!

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