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8_4CNT_VMD

【初級】ナノメートルレベルで構造を操る新手法!?

2017/08/27

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ナノメートルレベルで構造を操る新手法!?

2017年2月、中国と韓国の研究グループによる「狙った構造のカーボンナノチューブを合成した」という研究がNatureに掲載されました。今回は、カーボンナノチューブとは何か、そしてどのような方法でカーボンナノチューブの構造を操るのかをみていきましょう!

カーボンナノチューブは知っているかな?


カーボンナノチューブ??なにそれー?


カーボンナノチューブはコンピューターの計算速度を今より速くすると期待されている材料じゃ!
まずはカーボンナノチューブの形を見てみよう!
ここにカーボンナノチューブの元となるグラフェンという構造がある。


graphene

一つ一つのボールが炭素原子を表している。
そしてカーボンナノチューブとはこのグラフェンを筒状に丸めたものじゃ!


8_4CNT_VMD

ちなみにグラフェンを重ねたものが、鉛筆にも使われている黒鉛というものじゃ。


へぇ~!カーボンナノチューブって鉛筆と同じ原子からできているんだね!


そうじゃ!
せっかくだからカーボンナノチューブをつくってみよう。
模型を用意したから、印刷したものを線に沿って切りチューブの形に巻いてみるんじゃ!
8-4CNT


できたよ!

 

CNT8-4


今度は違う線に沿って切って巻いてみよう!

8-8CNT


うん博士!


CNT8-8

できた!
でも、なんで二つも作ったの?


実はこの二つのカーボンナノチューブ、巻き方が少し違うんじゃ!
IMG_5435


あっ!ほんとだ!
よくみたら少し違う!


そして実は、巻き方が違うと性質も違ってな…ここが問題なのじゃがコンピューターに使えるのは1つ目のカーボンナノチューブだけなんじゃ。


【補足】カーボンナノチューブの巻き方と性質

じゃあ1つ目のカーボンナノチューブだけをつくればいいじゃん!
あ、でも巻き方ってどうやって操るんだろう?
そういえば、そもそもカーボンナノチューブってどうやって作っているの?


さっきは模型だったからハサミとノリで切り貼りできた。
でも実際のカーボンナノチューブは太さが約1ナノメートルほど、髪の毛の太さの10万分の1ほどしかない。切り貼りという方法は使えんな。
カーボンナノチューブをつくるのには触媒という小さな石が使われておる。
カーボンナノチューブは炭素原子というボールの集まりじゃったな?
実はこの炭素原子を触媒の上に集めると、石の上で自然に集まってカーボンナノチューブの形に生えてくるんじゃ!

CVD


えー不思議!
でも生えてくるときに巻き方なんか操れるの?


そこを操る方法を開発したのが今回の研究の肝じゃ!


どうやってー??


研究グループが注目したのがな、カーボンナノチューブの根本じゃ!
二つのカーボンナノチューブで根本の太さや形が違うじゃろ?
8_8and8_4_shape


ほんとだ!


そこで研究チームは、根本の形や太さに合う触媒をつくれば生えてくるナノチュ-ブの巻き方を操れるのではないか!と注目したのじゃ。


すごい!でも触媒って好きな形に操れるの?


カーボンナノチューブは触媒の上で炭素原子が自然に集まることでできると言ったが、触媒も数百個の原子が集まってできているんじゃ。
そして、どの原子を使うかやどの温度で触媒をつくるかによって、集まる原子の数やできあがる触媒の形が違ってくる。
研究チームはちょうど一つ目のカーボンナノチューブの形に合う触媒をつくる条件を見つけたんじゃ!


へぇ、カーボンナノチューブの構造を操るためにカーボンナノチューブをつくる石から操るのか!


そうじゃ!
この研究をもとにコンピューターに使えるカーボンナノチューブの作り方が確立されれば、コンピューターの性能をものすごく向上させられる可能性がある!
今後の研究に期待じゃな!


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