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【初級】改造細胞で病気を治す!?

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CART療法と呼ばれる、改造した細胞を使って病気を治す技術が、近年注目されています。実際の治療に使うために多くの研究が行われていますが、今回はその中から筆者の最も好きな研究である「自己免疫疾患の治療への応用」についての論文を紹介します。(2016年6月、アメリカのペンシルバニア大学のグループから報告)

今日は改造細胞を使った新しい治療法を紹介するぞ。


細胞を改造!? どういうこと?


細胞の中にはDNAというものが入っているのは知っているかね?


それは聞いたことあるよ!
細胞が生きるのに必要な情報が書かれているんだよね。


その通り!
細胞はDNAの情報をもとにして生きているから、逆にそのDNAを書き換えてしまうことで、本来とは少し違う機能を持つように細胞を改造することができるのじゃ。

【補足】細胞を改造ってどういうこと?


ふーん。
その細胞を使うと、病気が治せるの?


その通り。我々人間の身体を守る「免疫細胞」を改造したCART細胞というものを使うことで、病気の治療に役立てることができるんじゃ。


改造って言うぐらいだから、普通の「免疫細胞」より強いんだね!


免疫細胞は、外部から人間の身体に入ってきたものを「異物」として認識し取り除く働きを持っている。
このCART細胞は、何を「異物」として認識するかを我々がコントロールできるようになった細胞なんじゃ。


ってことは...?


病気になってしまった細胞や病原菌を、ピンポイントで狙うことができるのじゃよ。


うーん、そうすると何が嬉しいの?


普通の細胞よりも強い免疫機能によって、がんのような完治の難しい病気も治すことができる可能性があるのじゃ。
さらにこの論文では、「自己免疫疾患」とよばれる、これまでの治療法では副作用が大きすぎて治すのが難しかった病気を、小さな副作用で治療できる可能性を示しているのじゃ。


自己免疫疾患って、名前は聞いたことあるけど、どんな病気なの?


異常な免疫細胞が、正常なはずの細胞を「異物」だと勘違いして攻撃してしまう病気のことじゃ。代表的なものだと、リウマチやバセドウ病などがあるぞ。


その2つなら聴いたことあるよ。なんで治すのが難しいの?


これまでは、異常な免疫細胞の活動を抑えるという方法で症状を和らげていたのじゃが、正常な免疫細胞まで一緒に抑えられてしまうことで、他の病気に対する抵抗力が落ちてしまうという問題があったんじゃ。


わかった!CART細胞を使えば異常な免疫細胞だけを狙うことができるんだね!


その通りじゃ。


へー!CART細胞ってすごいんだね!


CART細胞を使えば、副作用のために治療が難しかった多くの病気を、より簡単に治すことができるかもしれない。非常に期待できる治療法なのじゃ。


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-CART, 初級