Lorenz

【初級】カオスの同期現象

2018/01/15

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カオスとは、「予測ができるはずなのに予測ができない」現象のことで、多くの研究者の興味を惹きつけています。このカオス現象、現在では分野を問わず、様々な場面な登場することがわかっています。

複雑な挙動をみせるカオスですが、それにも関わらず「同期現象」を起こすことがわかっています。
「同期現象」とは、複数の個体やシステムが同じリズム・タイミングで動く現象のことで、自然界に見ることもできますし、人工的に引き起こすことも可能です。例えば、たくさんのホタルが同じタイミングで光ったり、たくさんのメトロノームがいつのまにか同じタイミングで振れていたりというものです。

本記事では、まずカオスという現象の特徴を紹介し、続いて本題の「カオスの同期現象」について解説していきます。

今日は少年君も一度は聞いたことがあるであろう「カオス」に関するお話じゃ。しかも、ただのカオスのお話ではなく、カオスの同期現象について紹介するぞい。


カオスっていうのは聞いたことある!でも、カオスの同期現象っていうのは初めて聞くなあ。


少年君は、カオスの特徴については何か知っているかな?


カオスとは

う~ん…名前はよく聞くんだけどなあ…特徴って言われると答えられないかも…


カオスの特徴のひとつとして「初期値鋭敏性」というものがあるぞい。これはカオスの同期現象を考えるうえでも大切になってくるものじゃ。


ショキチエイビンセイ…?なんか難しそうだなあ…


あんまり難しいことでもないからそう身構えなくてもいいぞい。要するに、スタート地点が少し違うだけで未来が大きく変わってしまうということなんじゃ。カオスはデリケートなんじゃよ。


へぇ~デリケート...なのかあ...


初期値鋭敏性を持っているということはつまり、まったく同じシステムを用意しても、ほんの少し条件に違いがあると、それらの挙動が全く異なったものになってしまうということなんじゃ。


それと同期現象と、どんなつながりがあるの?その前に、まず同期現象ってどんな現象のことを指すの?


同期現象っていうのは、複数のものが同じリズムやタイミングで動く現象のことじゃ。例えば、たくさんのホタルが同じタイミングでお尻を点滅させたりする現象が有名じゃな。


同期現象とカオスは別物なの?


別物じゃ。いま例に出したホタルの点滅はカオスではないぞい。


つまり、これまでカオスではないものについては同期現象が確認されていた。でもカオスなものでも同期現象が確認されて、それが新しい発見だった、ということ?


その通りじゃ。


それで、同期現象と、博士が強調していた初期値鋭敏性の関係って言うのは?


カオスなシステムは全く同じものを2つ用意しても、全然違う挙動を見せるとついさっき言ったばかりなんじゃが、実は二つのカオスなシステムがぴったり同じ動きを見せる現象が発見されたんじゃよ。


へえ~。それまでの常識が覆されたんだね。なんかすごそうだけど、カオスが同期してくれるとなんかいいことがあるの?


いい質問じゃ。カオスの同期現象は、新しい通信手段や暗号の手段としての応用が期待されているぞい。


博士~~全然想像がつかないよ~~。どういうこと?


ほっほっほ。そんな焦らなくていいぞい。理屈はそんなに難しいものでもないんじゃ。まずは、通信のときに暗号を使うとはどういうことかをざっくり示した図を見せるぞい。


暗号模式図

なるほど~。実際にメッセージを送信するときは、一度わけのわからないものにしてしまって、復元する手段を知ってる人だけがもともとのメッセージをゲットできるようにしてるんだね。


その通りじゃ。この図における暗号化と復号化の部分にカオス信号を用いるのが、カオス同期の応用というわけじゃ。図にするとこんな感じになるぞい。


mosikizu

なんか途中で信号がぐちゃぐちゃになってるね。


その通り。送信するメッセージに、カオス的な信号を重ねてしまって、傍から見るとなんの意味も持たないようなめちゃくちゃな信号に見せかけてるんじゃよ。


そのめちゃくちゃな信号から、重ねがけしたカオス的な信号を引いてあげれば、元のメッセージが復元できるんだね。


ご名答じゃ。送信側と受信側で同じカオス信号を共有する必要があるんじゃが、そのときにカオスの同期現象が一役買ってくれるんじゃよ。


なるほど~。同期できないと、初期値鋭敏性の影響で、同じカオス信号が手に入らないもんね。


新しい現象が発見されるというのは、それだけですごいことじゃが、それをどう役立てるか考えるのもまた大切なことなんじゃよ。


-chaos synchronization, 初級

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