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【初級】筋肉にも記憶が⁉若年期の運動が老後の健康を支える⁉

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一度鍛えたことのある筋肉は、鍛えるのをやめて縮小してしまっても、鍛えたことのない筋肉より肥大化しやすいという特徴があるということが知られています。ところが、この原因はあまりわかっていませんでした。
近年、筋肉の様々な実験を通して、『筋肉は鍛えられた時、筋肉自体の構造を変化させることで、鍛えたことを記憶する』という考えをまとめた論文が発表されました。(2016年、ノルウェーのオスロ大学からの発表)
今回の記事で筋肉に記憶が蓄えられる詳細な仕組みと、そのメリットについて理解していきましょう!!

今日は記憶に関する話じゃ。我々のような生物は体のどの部分で今までの経験を記憶していると思う?


それって脳みそじゃないの?


そうじゃ。一般には脳が記憶を行っていると考えられておる。しかし、脳だけでなく、筋肉も今までの経験を記憶しているという考えが提案されたのじゃよ。


T-cell_CS6_eguchi筋肉に記憶?

筋肉に記憶?それって例えば、昔サッカーしていた人が久々にサッカーをしても素人に比べてすごく上手とか、そういうこと?


いや、実はそれは違うのじゃ。あれは上手な動き方を脳が記憶しているのじゃ。つまり、昔サッカーをしていた人は上手なボールの蹴り方を脳が覚えているから久しぶりにしても上手なのじゃ。


ふーん。それじゃ筋肉に記憶があるってどういうこと?


筋肉は鍛えると大きくなるのはおぬしも知っておるじゃろ?


うん!


一度鍛えられ大きくなった筋肉は、その後鍛えるのをやめて小さくなったとしても、鍛えたことのない筋肉よりも大きくなりやすい性質があるのじゃ。これが筋肉に蓄えられる記憶じゃ。


T-cell_CS6_eguchi鍛えられた筋肉は再び鍛えやすい

へ~!じゃあ昔運動していた人は、していない人よりもすぐに筋肉をつけられるってこと??


そういうことじゃ。さすが理解が速いのう。


面白いね!でもそれって本当に最新の研究で分かったことなの?筋肉の大きさを測ることってすぐにできそうなんだけど。


良い質問じゃ。君の言う通り一度鍛えた筋肉が再び大きくなりやすいという現象は昔から知られていたことなのじゃ。じゃが、昔はこの現象も脳に蓄えられた記憶と考える研究者が多かったのじゃ。


それはどうして?


さっきも言ったが、上手な動き方を覚えているは脳じゃろ?脳が覚えている上手な動きをするときには、昔使っていた筋肉ばかりが使われるのじゃ。これが原因で昔使っていた筋肉は再肥大しやすいと思われておったのじゃ。


なるほど!脳が昔使っていた筋肉ばかり使わせているからだと思われていたんだね!


脳に蓄えられる運動の記憶

そうじゃ!じゃが、鍛えた筋肉が再肥大しやすいのは、筋肉に鍛えたという記憶が直接蓄えられているからだと!主張する研究者もおったのじゃよ。


へー。筋肉って難しいところが多いんだね。


そうじゃ。そして最近の研究を通して、筋肉は『核の数』を通して、筋肉に直接記憶を蓄えていることが判明したのじゃよ。


そうなんだ!!筋肉にどうやって記憶が蓄えられているか知りたい!


勉強熱心でいいことじゃ。このことについては少し話が難しくなるので下のコラムと上級編でお話するとしよう!


【コラム:筋肉に記憶が蓄えられる仕組み】

はーい!


この考えは、若いときの運動が老後の健康を支えることを意味しているのじゃよ。
年を取ると筋肉が衰えていき、体を自由に動かせなくなるのが社会的な問題になっておる。


筋力低下が引き起こすさまざまな症状

若いころに運動をたくさん行って筋肉に“鍛えたという記憶”があれば、老後も少しの運動で筋肉が回復すると期待されているのじゃ。


T-cell_CS6_eguchi若年期の運動が老後の筋力低下を防ぐ!!

何事もバランスなのじゃ!君も若いころから文武両道に生活するのじゃよ


今の運動が老後の健康に関わってくるんだね!わかった!運動そんなに好きじゃないけど頑張るよ!!


-skeletal muscle, 初級

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