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【初級】物理と化学の融合!?新しい「イオン・スイッチ」

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私たちが普段使っているパソコン、スマホなどの電化製品に入っている電気回路には物理の知識がふんだんに使われていますが、この分野の研究に化学の知識を取り入れることで新しい風が吹きつつあります。その中の一つの例が、物理と化学を最先端の技術で組み合わせた「イオン・スイッチ」という手法です。

この記事では、学術誌Natureで最近報告された新しい「イオン・スイッチ」(2017年7月、中国の清華大学のグループから報告)に関連して、「イオン・スイッチ」の紹介を行います。

今日は「イオン・スイッチ」というものを紹介しよう。


「イオン・スイッチ」?? 「イオン」と「スイッチ」って、接点が全然ないイメージだなあ。


ほう、それでは「イオン」と聞いて何を思い浮かべるかな?


んー、化学の授業のイメージが強いかな。フラスコとかを使った実験で、なんとかイオン、なんとかイオンって先生が話していたよ!


そう、イオンは、身の回りのあらゆる「化学反応」に潜んでいるのじゃ。塩が水に溶けるのも、石鹸で汚れが落ちるのも、このイオンが頑張ってくれているからなのじゃ。


へー、イオンって「化学反応」にとってそんなに大切なんだね。
でも、やっぱり、その「イオン」と「スイッチ」ってぜんぜん結びつかないよ~。「スイッチ」って電気とか機械とかのあれでしょ?


うむ。正確に言うと、この場合の「スイッチ」とは「トランジスタ」というものじゃ。


トランジスタって前に出てきたよね。なんだっけ?


簡単に言うと、電気をコントロールする部品の一つじゃ。わしらの使っているパソコンやスマホ、ありとあらゆる電化製品になくてはならない部品なのじゃ。


えーっと、「イオン」は化学反応の主役で、「スイッチ=トランジスタ」が回路の主役なんだよね。この二つが合わさったものが「イオン・スイッチ」っていうこと?


その通り! まさに物理と化学が手を取り合った、最先端の技術だと言えるぞい。


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「イオン・スイッチ」は、電気回路の主役であるトランジスタと、化学反応の主役であるイオンが組み合わさっている

それはすごそう! もっと詳しく教えてよ。


よかろう。まず、トランジスタというのは、電子を動かして電気の流れをコントロールする部品じゃ。


電子を動かすってどうやるの?


マイナスの電気とプラスの電気は引き付けあい、マイナスどうし、プラスどうしは反発しあうということは知っているじゃろ?電子というものはマイナスの電気を帯びているのじゃ。つまり・・・


そっか! じゃあ電子のそばにマイナスやプラスのものを用意してやれば、電子を引き寄せたり遠ざけたりすることができるんだね!


oxigen_stability

トランジスタでは、プラスやマイナスの電気からの力で電子の数を増やしたり減らしたりすることで電気の流れをコントロールする

そう! そうやって電子を動かして、電子を集めたり減らしたりすることで、トランジスタで電気の流れを制御しているのじゃ。


ところで、イオンというものにはプラスイオンとマイナスイオンの二種類があって、それぞれプラス・マイナスの電気を帯びているのじゃ。
と、いうことは・・・


そうか! 電子の時と同じやりかたで、イオンも動かすことができるんだね!


その通り! そして、イオンは化学反応の主役だとさっき話したじゃろ? つまり、このトランジスタでは、イオンを動かすことで化学反応をコントロールできるのじゃ!


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イオン・スイッチにおいて電気で化学反応を起こす仕組み

へー、すごい思いつきもあるんだね! でも、今までのトランジスタと何が違うんだろう?


これまでのトランジスタは、ほとんどが「電気を流すか流さないか」だけをコントロールするものだったのじゃ。しかし、この「イオン・スイッチ」では、化学反応を通して「電気を流すか流さないか」だけでなく沢山の性質を変化させられるのじゃ!


例えばどんなことができるようになるの?


例えば、ある材料を透明から色付きに変えたりできるイオン・スイッチが報告されていて、これはテレビやパソコンの液晶に使われる次世代材料として期待されているのじゃ。そして、去年新しく報告されたイオン・スイッチでは、磁石でないものを磁石に変えたり、もとに戻したりできることも発見されたのじゃ。まだ新しい技術じゃから今後の展開にも期待じゃ。


新しい報告が持ちどおしいね!


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