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【初級】時間と空間の織り成す「時空間結晶」とは?

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「結晶」と一見関係なさそうな「時空間」というワード。
これらが組み合わさった「時空間結晶」というものが最近提案されました。
去年発見された「時間結晶」 に加えて、結晶の可能性がさらに広がりそうです。
今回は“時間結晶“と”時空間結晶“について、これまでの結晶と比較をしながら紹介します。

ふむふむ、きれいにできておる。


あれ、何を見てるの?


最近は暑い日ばかりだからのう。
気分を涼しくするために雪の結晶を作ってみたのじゃ。
ほれほれ、見てごらん。


snow

おー、きれいにできてる!


うんうん、良い出来じゃ。
これを作るためにドライアイスを使ったから、部屋も涼しくなったのう。
さて、ここでちょっと問題じゃ。
白と黒の正六角形のタイルが机の上にあるだろう。隙間ができないように並べることはできるかな?


うーん、とりあえず適当にくっつけてみるか。


できた!こうやって並べるとサッカーボールみたいだね。


snow

うん、その通りじゃ。
実は結晶と呼ばれるものは、こういったきまったパターンの繰り返しからできてるんだよ。
ちなみにサッカーボールは、正六角形と正五角形の組み合わせなのでちょっと違うのう。


ふーん、そうなんだ。
言われてみると、サッカーボールの黒い部分は辺が5本だから五角形だ。


球体に近い形を作るにはその方が便利なんじゃ。
今度は正五角形のタイルを並べてみよう。


うーん、どうしてもうまくはまらないよ。


それで正解じゃよ。実は、ぴったりと隙間なく並べられる形は意外と少ないんじゃ。
今度は六角形のタイルを一つ選んでその上にビー玉を置いてみよう。
すべてのタイルの上にビー玉を同じように置くと、決まったパターンができるね。
結晶はこうやってできておるんじゃ。


snow

ビー玉はどこに置いてもいいの?


いいとも。
ビー玉の置き方とタイルの形の二つが大事なんじゃ。
ちなみにこの二つの組み合わせは数学的に17種類に区別できるんじゃよ。


へー、そうなんだ。
17種類って思ったより少ないね!


ふむ、じゃあタイルを並べる代わりに立体的なものを並べた場合は何種類くらいあると思う?


snow

100種類くらい?


なんと230種類もあるんじゃ!
立体的にするだけでずいぶん変わるじゃろう。
時間の流れを考えるともっと面白いことになるんじゃ。


ずいぶん増えるんだね。
・・・時間の流れ?


例えば、直線上に並べたタイルを考えてみよう。
繰り返しのパターンを色で表してみると見やすくなるね。
snow
ここで見方を変えてみよう。同じ繰り返しのパターンが時間の流れに沿って見えてくると考えてみるのじゃ。
そうすると、一つのタイルの色が順番に切り替わっているということになる。


snow

タイルの色を順番に変えることで繰り返しのパターンができるってことだね!


その通りじゃ。今度はその二つを組み合わせてみよう。
並べたタイルの色が切り替わっていくことで、より複雑な繰り返しのパターンが現れることがわかるかな。


snow

このように空間と時間を合わせることで、これまでにない結晶が作れるかもしれん。
つまり、「時空間結晶」となるわけじゃ。


snow

なんだか急に難しい話になってきたね。
でも響きがかっこいいね!


ふふふ、そうじゃろう。
この「時空間結晶」は最近提案されたばかりで、数学的に何種類に区別できるかということがはじめて分かったんじゃ。
これまでの結晶と異なる特徴を持つことも分かった。
実際に作るためには技術的な難しさもあるかもしれんが、今までとは全く違う性質を持つ結晶ができると思うと楽しみじゃのう。


なーんだ、それじゃあ出来上がったら教えてね。
それよりも雪の結晶を作ってみたい。


おお、良い考えじゃ。
実は雪の結晶にもいろいろ種類があるのじゃよ。
どんなものができるか、楽しみじゃのう。


-crystal, 初級

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