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【初級】マヨラナ粒子の兆候を発見!? そもそもマヨラナ粒子とは?

2019/08/01

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ふーむ、また出ておるな


博士、「また」って何が?


マヨラナ粒子の研究じゃよ。


マヨラナ粒子? 何それ?


マヨラナ粒子というのはマヨラナという人が存在を予言した粒子で、電子などの普通の粒子とは違う変わった性質を持っている粒子のことじゃ。近年固体中でこのマヨラナ粒子に相当する状態が出現すると提唱されて注目されておるぞ。


うーん、その粒子を研究して何が嬉しいの?


物理的に面白いというのもあるが、一番大きな理由はマヨラナ粒子を使うとエラーに強い量子コンピュータを作れるのじゃ。


マヨラナ粒子(●)を動かすと量子コンピュータになる。

マヨラナ粒子()を動かすと量子コンピュータになる。

量子コンピュータ! 最近よく聞くね。ということは博士が見ていた論文は量子コンピュータを作った論文なんだよね?


いーや違う。マヨラナ粒子が存在する「兆候」が見えたというわけじゃよ。


「兆候」、マヨラナ粒子そのものが見えたわけではないんだね。


その通り。実際マヨラナ粒子そのものを検出するのはとても難しい。だから「兆候」をみることで「存在している可能性」を高めていくんじゃな。


なんだか大変そうだね。今回はどうやって「兆候」を見たの?


今回の論文では、ものすごく細い針の先端から電流を流して、粒子の状態を見る装置が用いられた。これを使ってマヨラナ粒子と思われる状態を、鉄を使った超伝導体の中に発見することに成功しておる。


用いられた装置の模式図。金属の針を先端から電流を流しながら動かすと粒子の存在するところで信号が得られる。

用いられた装置の模式図。金属の針を先端から電流を流しながら動かすと粒子の存在するところで信号が得られる。

へーそうなんだ。でも、結局どこがすごいの?博士は「また」って言っていましたけど、今までのマヨラナ粒子の研究と何か違うの?


まず1つ目の特徴は鉄を使った超伝導体だけを使っている点じゃな。今までのマヨラナ粒子の多くは超伝導体を磁石や半導体に張り付けたものをつかって報告されておる。これらをうまく張り付けるのはなかなかに難しい。しかし、今回使われているような鉄を使った超伝導体では、磁石や半導体を使わずに磁場をかけるだけで超伝導体内に侵入した磁束部分にマヨラナ粒子が現れることが2018年に初めて指摘され、注目を集めたのじゃ。


今回の方法と他の方法の比較。今回の方法では超伝導体だけを用意して磁場をかければマヨラナ粒子が出現する。

今回の方法と他の方法の比較。今回の方法では超伝導体だけを用意して磁場をかければマヨラナ粒子が出現する。

今回の方法と他の方法の比較。今回の方法では超伝導体だけを用意して磁場をかければマヨラナ粒子が磁束()中に出現すると言われている。

なるほど、今までよりも簡単にマヨラナ粒子を出現させることができるんだね。


その通りじゃ。それともう1つの特徴はその分解能じゃな。鉄をつかった超伝導体でも今回の論文と同じような実験はすでに行われておるが、今回は今までの6分の1程度の温度にして、10倍の精度で測定を行っている。


なるほど、それだけ精密な測定が行われているということなんだ。でも博士の話だとこの実験だけではマヨラナ粒子が見つかったことにはならないんだよね。じゃあどうすればマヨラナ粒子が見つかったことになるの?


良い質問じゃな、詳しくは上級編で見ていくことにしようかの。簡単に言えば、マヨラナ粒子で量子コンピュータを作ってしまえば、だれもマヨラナ粒子の存在を否定しなくなるということじゃ。


え、マヨラナ粒子の存在を確かめるために量子コンピュータを作らないといけないの?


もう少し詳しく言えば、マヨラナ粒子を動かして量子コンピュータを作るうえで必要な動作の一種を行わせることができればマヨラナ粒子が存在するといえるといった方が良いかの。今回の研究では、そうやってマヨラナ粒子を動かせるかもしれない手段の1つとして、マヨラナ粒子を磁場の強さで制御できる可能性に言及しているという点でも重要な成果なのじゃ。


外からかける磁場の強さを変えると出現するマヨラナ粒子の数が変化する。

外からかける磁場の強さを変えると磁束内にマヨラナ粒子が出現する可能性も変わる。

なるほど、今回の実験からいろんなことが分かるんだね。


-マヨラナ粒子, 初級

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